特集●抗VEGF治療のすべてあたらしい眼科29(9):1203.1208,2012特集●抗VEGF治療のすべてあたらしい眼科29(9):1203.1208,2012網膜静脈閉塞症に対する抗VEGF治療Anti-VEGFTherapyforRetinalVeinOcclusion辻川明孝*I網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するこれまでの治療黄斑浮腫では直接失明に至ることはないが,変視症・小視症・視力低下をひき起こし,治療に苦慮することが多い.網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に伴う黄斑浮腫は自然消退し,視力改善することもある.その一方で,網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫は自然軽快することはまれであり,特に,虚血型のCRVOでは高度な視力障害に至ることも多い.一般に,CRVOのほうがBRVOよりも視力予後は悪い.1984年に報告されたBranchVeinOcclusionStudy1)で有効性が報告されて以来,BRVOに伴う黄斑浮腫に対しては格子状光凝固が長年標準治療として行われてきた.2009年に報告されたStandardCarevsCorticosteroidforRetinalVeinOcclusion(SCORE)study2)ではトリアムシノロンの効果は格子状光凝固と変わらず,むしろ,合併症が多かったため,格子状光凝固の有効性が再確認される結果となった.一方,わが国では,硝子体手術による後部硝子体.離の作製,内境界膜.離,arteriovenous(AV)seathotomyなどの手術治療が盛んに行われてきた.1995年に報告されたCentralVeinOcclusionStudy3)では格子状光凝固は黄斑浮腫の吸収を早めるが,視力予後は無治療群と変わらず,CRVOに対する格子状光凝固の有効性が否定される結果が報告された.それ以降,CRVOに伴う黄斑浮腫に対する標準治療は確立されないできた.しかし,2009年に報告されたSCOREstudy4)ではトリアムシノロンの硝子体内注入の有効性が示され,1mgのトリアムシノロンの使用が推奨された.一方,わが国では,硝子体手術による後部硝子体.離の作製,内境界膜.離,radialopticneurotomyなどの手術治療も行われてきた.II黄斑浮腫におけるVEGFの関与網膜静脈閉塞症は網膜動静脈交叉部や篩状板後方で網膜主幹静脈の循環障害によって生じる疾患である.循環障害により,静脈や毛細血管の内圧が上昇し,障害を受けた血管のバリア機能が破綻するのに伴い,血液成分が漏出する.その結果,黄斑部の網膜内の漏出液が貯留することに伴って黄斑浮腫が形成される.黄斑浮腫の形成には血管内皮増殖因子(VEGF)の役割も大きいことが知られている.網膜虚血に伴って誘導されたVEGFの作用により,血管透過性が亢進し,黄斑浮腫の状態がさらに悪化する.網膜静脈閉塞症では硝子体中のVEGF濃度が上昇していることも報告されている5).実際に,網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対して抗VEGF薬の硝子体内投与を行うと,短期間で黄斑浮腫が完全に消失することが多い.このことから考えても,黄斑浮腫の病態にはVEGFの役割が大きいことがうかがわれる.*AkitakaTsujikawa:京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座眼科学〔別刷請求先〕辻川明孝:〒606-8507京都市左京区聖護院川原町54京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座眼科学0910-1810/12/\100/頁/JCOPY(27)1203III抗VEGF薬Pegaptanib(MacugenR)はわが国でも中心窩下脈絡膜新生血管を伴った加齢黄斑変性に対して認可されている.PegaptanibのBRVO,CRVOに伴う黄斑浮腫に対する有効性が小規模studyで報告されている.黄斑浮腫を伴ったBRVO症例に対してpegaptanib(0.3mgまたは1.0mg)を6週間ごとに3回投与し,その後は6週間ごとに必要に応じて投与を行ったところ,54週後には平均14文字の視力改善効果が得られた6).また,黄斑浮腫を伴ったCRVO症例に対してもpegaptanibれている.わが国で網膜静脈閉塞症に対して行われている抗VEGF薬はほとんどがbevacizumabである.Ranibizumab(LucentisR)はわが国でも滲出型加齢黄斑変性に対して第一選択の薬剤として用いられている.また,網膜静脈閉塞症に対しても米国,EUでは承認を受けているが,わが国では第III相臨床試験が進行中で:Pegaptanib,0.3mg(n=33):Pegaptanib,1mg(n=33)1510:Sham(n=32)+9.9*+7.1-3.2視力(文字数変化)-5(0.3mgまたは1.0mg)を6週間ごとに投与を行ったところ,30週後には平均7.1文字,9.1文字の視力改善が得られた.Sham群は30週後には平均3.2文字の視力低下となっており,pegaptanib(1.0mg)の視力改善効50果が報告されている(図1)7).しかし,わが国では網膜静脈閉塞症に対する保険適用はない(表1)8).-10一方,bevacizumab(AvastinR)は眼科領域での適応投与期間(週)がないものの,加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症・糖尿病図1CRVOに対するpegaptanib治療による視力改善効果黄斑浮腫を伴ったCRVO症例に対して,pegaptanib(0.3mg網膜症・新生血管緑内障などさまざまな疾患に対してのまたは1.0mg),偽注射を6週間ごとに5回の投与を行った.有効性が報告されて,適応外治療としてしばしば用いらPegaptanib(1.0mg)投与群のほうが偽注射より有意に視力改善効果が高かった(*p<0.05vs偽注射群).(文献7を改変)表1網膜静脈閉塞症に対する抗VEGF薬0612182430一般名PegaptanibRanibizumabBevacizumabAflibercept(VEGFTrap-Eye)商品名MacugenRLucentisRAvastinREyleaR製剤アプタマー遺伝子組み換えFabフラグメント抗体可溶性融合蛋白ターゲットVEGF165VEGFVEGFVEGF,PlGF分子量50kDa48kD149kD115kD特徴VEGF121は阻害しないので安全性が高いといわれている全身のクリアランスは速いが,滲出型加齢黄斑変性で脳血管障害のリスクが増加するとの解析結果もある血中での半減期が長く,全身的な副作用のリスクがあるVEGFに対する結合親和性が高く,硝子体内の生物活性の半減期が長くなると考えられ,投与間隔を長くできる可能性がある日本での眼科適応中心窩CNVを伴う滲出型加齢黄斑変性中心窩CNVを伴う滲出型加齢黄斑変性なし中心窩CNVを伴う滲出型加齢黄斑変性(申請中)海外での網膜静脈閉塞症に対する現状なし米国,EUでは承認済み適応外治療で用いられているCRVOに対する国際共同第III相臨床試験が終了.BRVOに対する国際共同第III相臨床試験中日本での網膜静脈閉塞症に対する現状なし第III相臨床試験中適応外治療で用いられているCRVOに対する国際共同第III相臨床試験が終了.BRVOに対する国際共同第III相臨床試験中(文献8を一部改変)1204あたらしい眼科Vol.29,No.9,2012(28)ある.Aflibercept(VEGFTrap-Eye,EyleaR)はわが国では中心窩下脈絡膜新生血管を伴った加齢黄斑変性に対して申請中である.CRVOに対しては国際共同第III相臨床試験が行われた.また,BRVOに対しても国際共同第III相臨床試験が進行中である.IVBRVOに伴う黄斑浮腫に対する抗VEGF治療1.BRAVOstudy9)昨年,黄斑浮腫を伴ったBRVOに対するranibizumabの効果を検証した第III相臨床試験RanibizumaBfortheTreatmentofMacularOedemafollowingBRAnchRetinalVeinOcclusion(BRAVO)studyの結果が報告された9).BRAVOstudyではBRVO397例を3群に分けて,0.5カ月の治療期間には,ranibizumab(0.3mgまたは0.5mg),偽注射を毎月行った.その後の6.11カ月の観察期間では,必要に応じてranibizumabの追加投与を行った.ただし,対象眼は基準を満たすと格子状光凝固を行うことができたので,偽注射群の57.6%,ranibizumab群の約20%は格子状光凝固を受けていた.5mg)群,偽注射.群でそれぞれ16.6文字,18.3文字,7.3文字の視力改善が得られ,ranibizumab治療群のほうが有意に視力改善効果が高いことが示された(図2).その後の観察期間(6.11カ月)の間にはranibizum3mg,0.5mg)群には平均2.9回,2.8回のranibi-.ab(0zumab投与が行われた.偽注射群に対しても3.8回のranibizumab投与が行われた.12カ月後には平均16.4文字,18.3文字,12.1文字の視力改善が得られ,12カ月後においてもranibizumab治療群のほうが高い視力改善効果がみられた.観察期間中に一度もranibizumabの追加投与を行わなかった症例はranibizumab(0.3mg,0.5mg)群,偽注射群でそれぞれ17.2%,20.0%,6.5%であった.2.HORIZONstudy10)BRAVOstudy終了後の304症例に対するその後の経過がHORIZONstudyとして報告された10).対象眼は3カ月に一度以上の検査を受け,必要であればranibizumab(0.5mg)の投与を受け,205症例で12カ月以上経過された.HORIZONstudyでの12カ月の期間(治療開始から12.24カ月)でのranibizumab投与回数はranibizumab(0.3mg,0.5mg),偽注射群で平均2.4回,2.1回,2.0回であった.BRAVOstudyの開始時に比べ6カ月後にはranibizumab(0.3mg,0:Sham/0.5mg(n=132):0.3mgRanibizumab(n=134):0.5mgRanibizumab(n=131)て,HORIZONstudyの開始時にはranibizumab(0.3視力(文字数変化)201612840+18.3*+18.3**+16.4**+16.6*+7.3+12.10724681012mg,0.5mg),偽注射群で平均16.8文字,19.2文字,13.2文字の改善が得られていたが,その後12カ月にお視力(文字数変化)2520151050+13.2+16.8+19.2+17.5+14.9+15.6BRAVOHORIZONRVO治療期間(0~5カ月)観察期間(6~11カ月)図2BRAVOstudyでの視力変化黄斑浮腫を伴ったBRVO症例に対し,0.5カ月の治療期間には,ranibizumab(0.3mgまたは0.5mg),偽注射をそれぞれ毎月行った.その後,6.11カ月の観察期間では毎月検査を行い,必要に応じてranibizumabの投与を行った.ただし,すべての対象眼は格子状光凝固を行うことができた.6カ月後,12カ月後のいずれにおいてもranibizumab治療群のほうが有意に視力改善効果が高かった(*p<0.0001,**p<0.01,vs偽注射群).(文献9を改変)(29)BaselineM1236912期間(月):Ranibizumab0.5mg:Ranibizumab0.3/0.5mg:Sham/0.5mg図3HORIZONstudyでの視力変化BRAVOstudy終了後のBRVO症例に対し,最低3カ月に一度は検査を受け,必要であればranibizumabの投与を続けた.いずれの群においても12カ月後まで視力改善効果が維持された.しかし,12カ月の時点でranibizumab投与群と偽注射群とで視力変化に差はみられなかった.(文献10を改変)あたらしい眼科Vol.29,No.9,20121205いても視力改善効果が維持された(図3).しかも,12カ月の時点での視力改善効果は14.9文字,17.5文字,15.6文字となり,ranibizumab投与群と偽注射群とで差はみられなくなっていた.15文字以上視力改善がみられた症例の割合は50.0%,60.3%,51.5%であった.約50%の偽注射群の症例では格子状光凝固を受けているので解釈はむずかしいが,ranibizumabの治療開始が6カ月遅れても,2年後には視力改善効果には差はなくなるとも解釈できる.VCRVOに伴う黄斑浮腫に対する抗VEGF治療1.CRUISEstudy11)昨年,黄斑浮腫を伴ったCRVOに対するranibizumabの効果を検証した第III相臨床試験RanibizumabfortheTreatmentofMacularEdemaafterCentralRetinalVeinOcclUsIonStudy:EvaluationofEfficacyandSafety(CRUISE)study11)の結果が報告された.CRUISEstudyではCRVO392例を3群に分けて,0.5カ月の治療期間には,ranibizumab(0.3mgまたは0.5mg),偽注射を毎月行った.その後,6.11カ月の観察:Sham/0.5mg(n=130):0.3mgRanibizumab(n=132):0.5mgRanibizumab(n=130)18期間では,必要に応じてranibizumabの追加投与を行った.6カ月後の平均視力改善はranibizumab(0.3mg,0.5mg)群,偽注射群でそれぞれ12.7文字,14.9文字,0.8文字であり,ranibizumab治療の視力改善効果が報告された(図4).その後の観察期間(6.11カ月)にはranibizumab(0.3mg,0.5mg)群には平均3.8回,3.3回のranibizumab投与が行われた.偽注射群に対しても3.7回のranibizumab投与が行われた.12カ月後には平均13.9文字,13.9文字,7.3文字の視力改善が得られ,12カ月後においてもranibizumab治療群のほうが有意に視力改善効果が高いという結果が示された.しかし,観察期間中に一度もranibizumabの追加投与を行わなかった症例はranibizumab(0.3mg,0.5mg)群,偽注射群でそれぞれ7.0%,6.7%,4.3%であった.2.HORIZONstudy10)CRUISEstudy終了後の304症例に対するその後の経過がHORIZONstudyで報告された10).対象眼は3カ月に一度以上の検査を受けた.必要であればranibizumab(0.5mg)の投与を受け,181症例で12カ月以上経過された.HORIZONstudyでの12カ月の期間(治療開始から12.24カ月)でのranibizumab投与回数はranibizumab(0.3mg,0.5mg),偽注射群で平均2.9回,+14.9*+12.7*+0.816+13.9**3.8回,3.5回であった.CRUISEstudyの開始時に比べ視力(文字数変化)14121086420+13.9**て,HORIZONstudyの開始時にはranibizumab(0.3mg,0.5mg),偽注射群で平均14.9文字,16.2文+7.3字,9.4文字の視力改善が得られていたが,その後の12視力(文字数変化)2520151050-5+16.2+12.0+14.9+8.2+9.4+7.6CRUISEHORIZONRVO治療期間(0~5カ月)観察期間(6~11カ月)図4CRUISEstudyでの視力変化0724681012黄斑浮腫を伴ったCRVO症例に対し,0.5カ月の治療期間にBaselineM1236912は,ranibizumab(0.3mgまたは0.5mg),偽注射をそれぞれ期間(月)毎月行った.その後,6.11カ月の観察期間では毎月検査を行い,必要に応じてranibizumabの投与を行った.6カ月後,12カ月後のいずれにおいてもranibizumab治療群のほうが有意に視力改善効果が高かった(*p<0.0001,**p<0.0001,vs偽注射群).(文献11を改変)1206あたらしい眼科Vol.29,No.9,2012図5HORIZONstudyでの視力変化CRUISEstudy終了後のCRVO症例に対し,最低3カ月に一度は検査を受け,必要であればranibizumabの投与を続けた.いずれの群においても12カ月後には一旦改善した視力の低下がみられた.(文献10を改変)(30)視力(文字数変化)20151050-54812162024*p<0.001vs.Sham21.3letterdifference週+17.3*2q4-4.0Sham視力(文字数変化)20151050-54812162024*p<0.001vs.Sham21.3letterdifference週+17.3*2q4-4.0Sham図6COPERNICUSstudyでの視力変化黄斑浮腫を伴ったCRVO症例に対し,0.5カ月の治療期間には,VEGFTrap-Eye,偽注射をそれぞれ毎月行った.6カ月後においてVEGFTrap-Eye治療群のほうが有意に視力改善効果が高かった.(文献12を改変)カ月の間に平均5.2文字,4.1文字,4.2文字の視力低下を認めた(図5).しかも,12カ月の時点での視力改善効果は8.2文字,12.0文字,7.6文字となり,ranibizumab投与群と偽注射群とで差は小さくなっていた.3.COPERNICUSstudy12)今年になって,黄斑浮腫を伴ったCRVOに対するVEGFTrap-Eyeの効果を検証した第III相臨床試験COPERNICUSstudy12)の結果が報告された.COPERNICUSstudyではCRVO189例を2群に分けて,0.5カ月の治療期間,VEGFTrap-Eye硝子体内注射,または,偽注射を毎月行った.6カ月後の平均視力変化はVEGFTrap-Eye群,偽注射群でそれぞれ17.3文字,.4.0文字であった(図6).15文字以上視力改善が得られた症例は56.1%,12.3%と,VEGFTrap-Eye治療群のほうが有意に視力改善効果が高いという結果が示された.VIわが国での治療現在,わが国での網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する抗VEGF治療としては,適応外使用でbevacizumabの硝子体内注入が行われているのみである.Bevacizumabの硝子体内注入は適応外治療であるので,各施設の倫理委員会での承認されたプロトコルに従い,インフォームド・コンセントを得たうえで行う必要がある13).投与スケジュールにはコンセンサスはないが,上記のstudyで行われたような毎月投与を行っている施設は少なく,初回投与後,黄斑浮腫の再発があれば必要(31)に応じて再投与を行っている施設が多い.BRVOに伴う黄斑浮腫は自然消退することがある.したがって,これまでは3カ月程度経過観察を行っても,改善しない症例に対して外科的な治療を行うことが推奨されることが多かった.しかし,抗VEGF治療では,大きな合併症・患者の負担も少ないため,初診時に治療を行っている施設も多い.一方,BRAVOstudyでは6カ月偽注射を(格子状光凝固を含む)行った後にranibizumabによる治療を開始しても,2年後には視力の差はみられなくなっている.この点から考えると,経過観察の後に治療を開始しても視力予後は変わらないということになる.Bevacizumabの硝子体内投与により,多くの症例で黄斑浮腫は急速に消退する.しかし,8割程度の症例では2.3カ月後に再発がみられる14).そのたびに再投与を行うことが多いが,何度も何度も再発を繰り返す際にはいつまで治療を行うのか判断に迷う.BRAVOstudyでも,CRUISEstudyでも,ranibizumab投与群でも半年の観察期間に平均約3.4回のranibizumabの投与が行われた.さらに,BRVOではHORIZONstudyでの12カ月のranibizumabの平均投与回数は2.0.2.4回であり,2年目でも平均2回の治療を要している.CRVOでは2年目に3.4回の治療を要しているが,それでも,平均視力の低下がみられるため,投与回数が不足している可能性がある.おわりに網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する抗VEGF治療の効果はこれまでの治療法よりもはるかに優れている.近い将来,抗VEGF治療が網膜静脈閉塞症に対する治療の中心になるのはまちがいない.現時点ではbevacizumabを適応外治療として用いる以外には選択肢はない.わが国でも,何種類かの抗VEGF薬を使えるようになることが期待されている.文献1)TheBranchVeinOcclusionStudyGroup:Argonlaserphotocoagulationformacularedemainbranchveinocclusion.AmJOphthalmol98:271-282,1984あたらしい眼科Vol.29,No.9,201212072)ScottIU,IpMS,VanVeldhuisenPCetal:Arandomizedtrialcomparingtheefficacyandsafetyofintravitrealtriamcinolonewithstandardcaretotreatvisionlossassociatedwithmacularedemasecondarytobranchretinalveinocclusion:theStandardCarevsCorticosteroidforRetinalVeinOcclusion(SCORE)studyreport6.ArchOphthalmol127:1115-1128,20093)TheCentralVeinOcclusionStudyGroupMreport:Evaluationofgridpatternphotocoagulationformacularedemaincentralveinocclusion.Ophthalmology102:1425-1433,19954)IpMS,ScottIU,VanVeldhuisenPCetal:Arandomizedtrialcomparingtheefficacyandsafetyofintravitrealtriamcinolonewithobservationtotreatvisionlossassociatedwithmacularedemasecondarytocentralretinalveinocclusion:theStandardCarevsCorticosteroidforRetinalVeinOcclusion(SCORE)studyreport5.ArchOphthalmol127:1101-1114,20095)NomaH,FunatsuH,MimuraTetal:Vitreouslevelsofinterleukin-6andvascularendothelialgrowthfactorinmacularedemawithcentralretinalveinocclusion.Ophthalmology116:87-93,20096)WroblewskiJJ,WellsJA3rd,GonzalesCR:Pegaptanibsodiumformacularedemasecondarytobranchretinalveinocclusion.AmJOphthalmol149:147-154,20107)WroblewskiJJ,WellsJA3rd,AdamisAPetal:Pegaptanibsodiumformacularedemasecondarytocentralretinalveinocclusion.ArchOphthalmol127:374-380,20098)辻川明孝:抗VEGF薬.あたらしい眼科29(臨増),2012(印刷中)9)BrownDM,CampochiaroPA,BhisitkulRBetal:Sustainedbenefitsfromranibizumabformacularedemafollowingbranchretinalveinocclusion:12-monthoutcomesofaphaseIIIstudy.Ophthalmology118:1594-1602,201110)HeierJS,CampochiaroPA,YauLetal:Ranibizumabformacularedemaduetoretinalveinocclusions:long-termfollow-upintheHORIZONtrial.Ophthalmology119:802809,201211)CampochiaroPA,BrownDM,AwhCCetal:Sustainedbenefitsfromranibizumabformacularedemafollowingcentralretinalveinocclusion:twelve-monthoutcomesofaphaseIIIstudy.Ophthalmology118:2041-2049,201112)BoyerD,HeierJ,BrownDMetal:VascularendothelialgrowthfactorTrap-Eyeformacularedemasecondarytocentralretinalveinocclusion:six-monthresultsofthephase3COPERNICUSStudy.Ophthalmology119:10241032,201213)KondoM,KondoN,ItoYetal:Intravitrealinjectionofbevacizumabformacularedemasecondarytobranchretinalveinocclusion:resultsafter12monthsandmultipleregressionanalysis.Retina29:1242-1248,200914)YasudaS,KondoM,KachiSetal:Reboundofmacularedemaafterintravitrealbevacizumabtherapyineyeswithmacularedemasecondarytobranchretinalveinocclusion.Retina31:1075-1082,20111208あたらしい眼科Vol.29,No.9,2012(32)